解体工事業

解体工事業とは?

工作物を解体する工事。

建設業法が改正され、平成28年6月より業許可業種区分に「解体工事業」が新設されました。
これまで解体工事は既存の「とび・土工工事業」の業種区分の中に含まれていますが、「とび・土工工事業」から分離独立する形で、解体工事だけを手掛ける専門業種としての「解体工事業」が新設されました。1件500万円以上の解体工事を実施する場合は、この新設の「解体工事業」の許可を取得することが必要です。
この「解体工事業」は平成28年6月に施行され、更に施行日から3年間は経過措置として、既存の「とび・土工工事業」の技術者を配置しても解体工事の施工が可能になっています。従って、公布日から5年間は、新しい業種区分で許可を受けなくても、既存の「とび・土工工事業」の許可で解体工事業を続けることができます。
解体工事業を営む事業者は、経過措置期間を超えてしまう前に新しい業種区分「解体工事業」の業種追加新規申請が必要です。
また、経営業務の管理責任者については、施行日前の「とび・土工工事業」に係る経営業務の管理責任者としての経験が「解体工事業」の経営業務の管理責任者の経験とみなされます。
尚、土木一式工事や建築一式工事の全体計画の中で行われる解体工事は、従前と同様に「土木工事業」や「建築工事業」の許可で対応します。
登録解体工事業者の制度はそのまま残ります。こちらは、請負金額500万円未満の解体工事に限定して適用されるもので、工事を行う地域ごとに、管轄する都道府県の登録が必要です。

紛らわしい区分

それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。

  • 店舗の内装工事をするために古い内装を解体撤去するような場合は内装仕上工事
  • 土木工作物を新たに建設するために、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を解体する工事は土木一式工事
  • 建築物を新たに建設するために総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を解体する場合は建築一式工事

例えばこんな工事があたります

  • 工作物解体工事

解体工事の許可を取るために必要な要件は?

要件1:経営業務管理責任者がいること

下記のうち、いずれかの要件を満たしている人が「解体工事業」の経営業務管理責任者になれます。

  • 解体工事業を営んでいた会社で常勤の取締役として5年以上の経験がある人
  • 解体工事業以外の建設業を営んでいた会社で常勤の取締役として6年以上の経験がある人
  • 解体工事業を個人事業主として5年以上営んでいる人
  • 解体工事業以外の工事業を個人事業主として6年以上営んでいる人

要件2:専任技術者がいること

下記の1.2.3のいずれかに該当すれば、「解体工事業」の専任技術者になれます。

1. 専任技術者に該当する資格を持っている人

建設業法「技術検定」
  • 1級土木施工管理技士※1
  • 2級土木施工管理技士(土木)※1
  • 1級建築施工管理技士※1
  • 2級建築施工管理技士(建築・躯体)※1
技術士法「技術士試験」
  • 建設・総合技術監理(建設)※2
職業能力開発促進法「技能検定」
  • とび技能士1級
  • とび技能士2級+合格後3年間の実務経験
公益社団法人全国解体工事業団体連合会
  • 登録解体工事試験合格※3(解体工事施工技士)

※1 平成27年度までの合格者に対しては、解体工事に関する1年以上の実務経験または登録解体工事講習の受講が必要。
※2 当面の間は解体工事に関する1年以上の実務経験または登録解体工事講習の受講が必要。
※3 平成28年8月1日から以下の試験で受けられます。

登録試験実施機関の名称電話番号
登録解体工事試験公益社団法人全国解体工事業団体連合会03-3555-2196

備考:平成17年度までに実施された解体工事施工技士資格試験及び平成27年度までの解体工事施工技士試験に合格した者についても「登録解体工事試験」を合格した者とみなすこととしています。
※5 ※1及び※2に記載の登録解体工事講習は以下の機関で受けられます。

登録講習実施機関の名称電話番号
登録解体工事講習公益社団法人全国解体工事業団体連合会03-3555-2196
一般財団法人全国建設研修センター 042-321-1634

上記の実施機関は次の国土交通省サイトでも確認することができます。各種実施機関一覧(国土交通省サイト)

2. 指定学科を卒業し、かつ解体工事業の実務経験が一定年数ある人

指定学科
建築学環境計画科、建築科、建築システム科、建築設備科、建築第二科、住居科、住居デザイン科、造形科
土木工学(農林土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む)開発科、海洋科、海洋開発科、海洋土木科、環境造園科、環境科、環境開発科、環境建設科、環境整備科、環境設計科、環境土木科、環境緑化科、環境緑地科、建設科、建設環境科、建設技術科、建設基礎科、建設工業科、建設システム科、建築土木科、鉱山土木科、構造科、砂防科、資源開発科、社会開発科、社会建設科、森林工学科、森林土木科、水工土木科、生活環境科学科、生産環境科、造園科、造園デザイン科、造園土木科、造園緑地科、造園林科、地域開発科学科、治山学科、地質科、土木科、土木海洋科、土木環境科、土木建設科、土木建築科、土木地質科、農業開発科、農業技術科、農業土木科、農業工学科(ただし、東京農工大学・島根大学・岡山大学・宮崎大学以外については、農業機械専攻、専修又はコースを除く)、農林工学科、農林土木科、緑地園芸科、緑地科、緑地土木科、林業工学科、林業土木科、林業緑地科、学科名に関係なく生産環境工学コース・講座・専修・専攻、学科名に関係なく農業土木学コース・口座・専修・専攻
  • 高校もしくは中等教育学校卒業の場合:卒業後5年以上の実務経験があること
  • 大学(短期大学も含む)・高等専門学校卒業の場合:卒業後3年以上の実務経験があること

3. 実務経験がある人

次のいずれかを満たしていればOKです。

  • 解体工事業に係る建設工事の実務経験が10年以上ある者
  • 解体工事業の実務経験が8年を越えているのが条件で、建築一式工事の実務経験と合わせて12年以上ある人
  • 解体工事業の実務経験が8年を越えているのが条件で、土木一式工事の実務経験と合わせて12年以上ある人
  • 解体工事業の実務経験が8年を越えているのが条件で、とび・土工工事の実務経験と合わせて12年以上ある人

それ以外の要件

こちらでご確認下さい。